「書店活性化プラン」が発表されました。  

経済産業省が2025年6月10日、「書店活性化プラン」を発表しました。このプランは、街の書店を文化創造の基盤と位置づけ、減少傾向にある書店の再生と持続的発展を目指す包括的な政策パッケージだということです。

書店活性化プランは以下の22項目の具体的な施策を挙げています。

②~⑤にあげた施策は、業界慣行の改善や再販制度、マージン比率、経営の効率化、資金繰りなどに関わるもので、書店の経営改善を促しています。これらを実行することによって書店経営が少しでも改善されれば書店数の減少スピードが多少は和らいでくることは考えられます。

しかし、問題は①で挙げられている具体策「読書人口の減少・書店の魅力向上」です。多様なメディアが氾濫し、SNSではコンテンツがAIによって選択されて見る人に特化された似かよった内容ばかりが表示され、その人の考え方は先鋭化していきます。本を読むことや自分の頭で考えることでその人の深い見識が育まれていく、そのような訓練が不足してしまうことが何より心配です。このことは多方面からのアプローチが必要であり、社会全体としての取り組みが必要であると思われます。単に書店の活性化や読書の推進運動だけでは解決が難しいといえるでしょう。

たとえば国を支える理工系人材を育てるために、人文科学の大学予算は削られる傾向にあります。自然科学は人が極めるものであり、その人の人格の上に成り立っている以上、人文科学などリベラルアーツを無視して人は育たず成功するとは思えません。

本を読むことはこのように人の土台を作ることであり、国の土台を作ることであるといってもいいかもしれません。江戸時代末期や明治の時代に、日本の中央でも地方でも教育が重要視されて国を支える人材が育ち、後のこの国があるということを忘れてはなりません。

<書店活性化プラン22項目の具体的な施策>

① 読書人口の減少・書店の魅力向上

  • 活字文化の振興:読書会・展示会・観光資源と連携したイベントを「文字・活字文化資源活用推進事業」で支援。
  • 海外展開支援:翻訳費用補助や海外図書館への導入支援を通じて、日本の活字文化を世界へ発信。
  • 文学館等との連携:文化施設と書店が連携し、地域文化の発信拠点としての機能を強化。

② 図書館・自治体との連携強化

  • 図書購入の実態調査:図書館による新刊購入や複本購入の実態を調査し、書店との連携を強化。
  • 連携モデルの普及:図書館と書店の協働による地域読書モデルを全国に展開。

③ 業界慣行の見直し

  • 再販制度の弾力運用:時限再販・部分再販の活用を促進し、書店の価格設定の柔軟性を確保。
  • マージン比率の見直し:書店の収益性向上に向け、出版社に対しマージン改善を働きかけ。

④ 経営の効率化・省力化

  • POS・自動精算機導入:IT導入補助金や省力化投資補助金を活用し、店舗のDXを推進。
  • 雑誌付録作業の負担軽減:出版社との交渉支援や独占禁止法上の相談窓口を設置。

⑤ 新規開店・キャッシュレス対応

  • 事業承継支援:M&A補助金や経営力向上計画を活用し、後継者不足に対応。
  • キャッシュレス導入支援
  1. 決済手数料の引き下げ(1%台後半~2%台半ば)を周知。
  2. 翌日入金・複数回入金制度の導入を促進。
  3. 日本政策金融公庫による低利融資を活用。

なお、これらの施策は、書店を単なる販売拠点ではなく、地域文化・教育の中核として再生させることを目的としています。