松江高専、米子高専で使用する演習書、「Solving Problems in FLUID ENGINEERING」を発売しています。
松江高専、米子高専の演習書として使用されています、「Solving Problems in FLUID ENGINEERING」を発売しました。ハーベスト出版BASEショップでお求めください。
本書は、技術開発や国際会議の場で国際的に活躍できる技術者の育成を目指した、基本的な流体工学の知識を有する学生が利用するための英語による演習書です。
発行 2023/3/27
ISBN 978-4-86456-460-1
判型・ページ数 A5・116ページ
定価 1,650円(本体1,500円+税)
■著者
アラム・アシュラフル、稲垣 歩、尾形 公一郎、奥原 真哉、菊川 裕規、上代 良文、鈴木 隆起、高尾 学、武内 秀樹、田中 禎一、早水 庸隆、福森 利明、細谷 和範、前田 英昭、安信 強、渡辺 幸夫
■目次
第1章 流体の性質
第2章 流体の静力学
第3章 流体の動力学
第4章 管路内の流れ
第5章 抗力と揚力
第6章 次元解析および相似則
■内容
第1章 流体の性質
この章では,流体の基本的性質として,圧縮性流体(compressible fluid)や非圧縮性流体(incompressible fluid)および理想流体(ideal fluid)の定義を理解する.また,国際単位系(International System of units; SI)を確認したうえで,流体の性質を表す各種物性値として,密度(density),単位体積当たりの重量(specific weight),比体積(specific volume),比重(specific gravity),圧縮率(compressibility),体積弾性係数(bulk modulus),粘度(viscosity)および動粘度(kinematic viscosity)の定義と算出方法を学ぶ.さらに,ニュートンの粘性法則(Newton’s law of viscosity)および表面張力(surface tension)に関して,演習問題を通して学ぶことにする.
第2章 流体の静力学
流体の静力学(fluid statics)では,流体中の相対運動や粘性(viscosity)の影響が生じないものとして,面に垂直な圧力による表面力(surface force)と重力などの物体力(body force)を考えて,問題を取り扱う.この章では,演習問題を通して,圧力の一般的性質,パスカルの原理(Pascal’s principle),静止流体の圧力変化,マノメータ(manometer),壁面に作用する液体の力,相対的静止およびアルキメデスの原理(Archimedes’ principle)や浮力(buoyancy),浮揚体について学ぶ.
第3章 流体の動力学
流体の運動,すなわち流れにおいては,静止している流体に作用する圧力と重力による力に加えて,流体には慣性力(inertia force)や粘性力(viscous force)などが作用するため,流れの解析は複雑化する.しかし,対象とする流体を理想流体と仮定したり,流れが定常流であったりする場合,流れは簡単に取り扱うことができる.この章では演習問題を通して,流れを力学的に取り扱うために必要な基礎式である連続の式(equation of continuity),ベルヌーイの式(Bernoulli’s equation)および運動量方程式(equation of momentum)を学ぶ.
第4章 管路内の流れ
この章では,流れをレイノルズ数(Reynolds number)によって層流(laminar flow)と乱流(turbulent flow)に区別できることや,管路内流れにおける層流や乱流の場合の管摩擦損失(pipe friction loss / friction loss in pipe flow)について演習問題を通して学ぶことにする.また,管路における各種の損失についても学ぶ.
第5章 抗力と揚力
この章では,流れに相対的に運動する物体周りの流れ(外部流れ, external flow / immersed-body flow)における境界層(boundary layer),はく離(separation) ,後流(wake)について理解するとともに,流れの向きに働く力(抗力, drag)と流れに直交する向きに働く力(揚力, lift)について演習問題を通して学ぶことにする.また,自動車のボディや航空機,流体機械の翼に働く抗力と揚力についても学ぶ.
第6章 次元解析および相似則
流体を扱う実験で得られた結果を用いて,模型(model)と実物(prototype)のように物体の寸法が異なる場合や流体の種類が異なる場合など,異なる流れの現象を推定するためには,次元解析(dimensional analysis)と相似則(similarity law)を適用して系統的に実験を行う必要がある.この章では,次元解析および相似則について学ぶ.