松江歴史館「松江のスポーツ今昔」では松江藩の御流儀の展示がおすすめです。

松江歴史館では、7月12日(金)~9月16日(祝)企画展「松江のスポーツ今昔」を開催しています。

展示の後ろ半分は明治以降の島根県のスポーツに関して。

前半の半分は松江藩の御流儀と呼ばれる武術を展示しています。めったに見ることのない松江藩の武術についての展示はおすすめです、ぜひご覧ください。松江藩では剣術の「不伝流居合」「新当流兵法」、槍術の「一指流管槍」「樫原流鍵槍」、柔道の「直信流柔道」が御流儀と呼ばれ行われました。「柔道」という名称を日本で初めて使ったのは直信流柔道だそうです。

 

直信流柔道

Wikipediaより直信流柔道についての記述を抜粋します。

「直信流柔道の技法は、相手を一撃で倒す技の威力、相手と離れて間合いを取って施す早技、当身技、投げ技および当身技による先制、裏太刀による精神鍛練などである。特に、甲冑を着た状態で急所を蹴込んで当身を入れ、敵を組み伏せて首級を挙げる技法は独特のものである。当身技と投げ技が主流を占めるのは、福野七郎右衛門正勝が陳元賢から伝授された中国拳法の影響であり、裏太刀による精神鍛練の重視は沢庵禅師や陳元賛の影響を受けたものとされる。

 

不伝流居相

不伝流居相術については、不伝流のホームページhttps://fudenryu.com/からご紹介します。

享保十年、戸田不伝の嫡子である三代宗家戸田重政が他界したため、不傳流に師事していた伊藤長太夫次春が享保十五年に松江藩士官します。伊藤長太夫は浅山一伝一存の高弟であったとされ、おそらくは一存没後に戸田重政へ師事したと推測されます。不傳流剣法へ浅山一伝流の技術を組み込み、新たに不伝流居相を確立し、松江藩御家流として広く伝えていくのでした。

不伝流の最盛期とは、七代藩主不昧公の時代、門下3000名を数え、不昧公みずからが不伝流の奥義を体得し、新たな工夫を加えました。そして、その松平不昧公の時代に松江藩戸田家の六代目が嫡子無いままに他界。戸田家に藩主不昧公の次男が跡目相続というかたちで家督を継ぎました。このことにより、名実共に不傳流と徳川家康公の血脈が繋がり現在まで続いているのです。
不伝流居相とは、太平の世の無駄を削ぎ、技と技の同化により何処へでも流れる事を極みとします。例え無刀であっても、その奥義において大刀に勝利できるのです。

 

直信流柔道の演武も行われます。

松江藩御流儀であり、日本で初めて柔道という名称を使った「直信流柔道(じきしんりゅうじゅうどう)」の演武を行います。

演武/雲藩直信流柔道研究会
日時/令和6(2024)8月11日(日) 11:30~12:00
場所/松江歴史館 玄関ホール
観覧無料、申込不要

 

展示図録も販売中です。

定価1,100円(本体1,000円+税10%)
978-4-86456-525-7
C0021 ¥1000E
A4判、64頁、並製本

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