日本書紀と出雲観に関する研究の論文集発刊 現在の出雲のイメージがどのように形成・展開・変容していったのか

【新刊のお知らせ】
島根県古代文化センター編『日本書紀と出雲観』を発刊しました。
島根県古代文化センターさんが平成29年度から令和元年度までの3年間、「日本書紀と出雲観に関する研究」と題して進めてきた研究の286ページからなる論文集です。
「神話の舞台」「神々が集う国」「縁結びの地」などと形容される出雲ですが、そのような出雲に対するイメージは、どのように形作られ広がったのか。
その端緒となるのは『日本書紀』で、そこには国譲り神話をはじめ、出雲に関わる神話や伝承が多数記載されており、古代日本において出雲は特別な地域だとみなされたのでしょう。
そして時代とともに『日本書紀』は様々な場で読み解かれ、新たな解釈が加えられていき、冒頭のような出雲のイメージの形成に大きな影響を与えてきたと考えられています。
本書はこのような『日本書紀』と出雲の関りについて、古代から近現代に至る1300年間の課程を総覧しようとした研究の論文集で、文学・歴史学・民俗学など様々な視点から20本の論文が収録されています。
現在の出雲のイメージがどのように形成・展開・変容していったのか、じっくり学んでみてはいかがでしょうか?
【内容】
■研究事業の経過と概要
■序論
「出雲」をめぐる思想史的展開─研究史の整理─/佐藤雄一
■第一部 古代の出雲観─古代王権と「出雲」─
・古代の氏族伝承と出雲/佐藤雄一
・『日本書紀』神代巻と『出雲国風土記』/伊藤剣
・『先代旧事本紀』の出雲観─大己貴神の大三輪神化と杵築社の祭神変更─/伊藤剣
・『日本書紀』と「出雲国造神賀詞」『出雲国風土記』の国譲り/佐藤雄一
■第二部 中世の出雲観─変容する記紀神話と「出雲」─
・中世の日本書紀註釈における出雲観─『釈日本紀』にみる「出雲」の文字列から─/渡邉卓
・古代・中世の佐太神社と『出雲国風土記』/平石充
・『佐陀大社縁起』の比較検討/松尾充晶
・「八岐大蛇退治図」の図像的分析─日本書紀と出雲の邂逅─/岡宏三
・中世における神集い信仰/品川知彦
■第三部 近世の出雲観─再解釈される「出雲」─
・中近世出雲における『出雲国風土記』の受容と『日本書紀』/髙橋周
・素戔烏流(出雲流)神道の形成と神祇書の相承─近世における中世神道の展開─/大東敬明
・近世杵築周辺の〝神学〟/西岡和彦
・出雲国における宝物開帳とその展開─須我神社三十三年目宝物開帳を事例として─/面坪紀久
■第四部 出雲国造北島家 自重館文庫
・自重館文庫成立史─北島国造家と垂加神道─/西岡和彦
・自重館文庫本『出雲国風土記』の系譜/髙橋周
■第五部 近現代の出雲観
・近代史学史からみた「古代出雲」観の変遷/田中聡
・近代の「出雲」観の解明に向けた覚書/品川知彦
・大本の聖師、出口王仁三郎が見た出雲/松尾充晶
・『日本書紀』注釈史と折口信夫の「出雲」─読み替えられた「出雲神話」をもとめて─/斎藤英喜
■あとがき─歴史的に、出雲はどのような地域と観念されてきたのか、それはなぜか─
島根県古代文化センター研究論集第26集
『日本書紀と出雲観』
島根県古代文化センター 編
A4判、並製本286ページ
定価:2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN978-4-86456-374-1 C0021 ¥2000E
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